対話AI が会話を転送する前に中間ステップを実装する方法

場合によっては、対話AI が会話を転送する前に追加の情報を収集したいことがあります。 これにより、不必要な転送を防ぎ、スタッフがすべての関連情報を把握したうえで対応できるようになります。

例えば、ユーザー が「担当スタッフと話したい」と言ったとき、すぐに会話を転送するのではなく、対話AI がまず質問に答えられるか確認したり、追加の質問をしたり、詳細情報を収集したりするように設定できます。
こうすることで、対話AI が自力で解決できるかを判断し、不必要な転送を回避したり、スタッフが十分な情報を持って会話に対応できるようにできます。

中間ステップの設定方法

これを実現するには、インストラクション または ドメイン知識 に指示を追加し、ユーザー が人間スタッフにつながりたいときの対応方法を 対話AI に教えます。
さらに、転送を実行するための特定の「コード文」を設定し、ユーザー がそれを入力したときにのみ会話を転送するようにします。

ステップ 1: 転送が必要なシナリオを決定する

転送が必要となるシナリオを特定します。
よくある例は、ユーザー が明確に「担当スタッフと話したい」とリクエストする場合です。

ステップ 2: インストラクションを書く

転送の前に 対話AI にどのような対応をさせたいかを考えます。
例えば、まず質問に答えようと試みたり、追加の確認を行ったりするようにインストラクションを設定します。

ステップ 3: コード文を決める

転送を実行するためにユーザー が使う特別な「コード文」を選びます。
これは通常の会話では使われない言葉にすることで、誤って転送されるのを防ぎます。

例:

  • 「今すぐ転送してください」

  • 「ホーリーメロニー」

このコード文を、ステップ 2 で設定したインストラクションに組み込みます。

ステップ 4: 転送を設定する

転送の設定を行い、トリガー としてステップ 3 のコード文を使用します。

ステップ 5: テストと改善

インタラクティブテスターを使って会話をシミュレーションし、対話AI が正しく反応するか確認します。
必要に応じて、インストラクションやトリガーを調整してください。

以下の例では、対話AI がまずユーザー のニーズに対応しようとし、その後スムーズに人間スタッフへ会話を引き継ぐ流れを示しています。
各シナリオには、具体的なインストラクションと転送を実行するためのコード文があります。

例 1: 技術サポートの依頼

シナリオ: ユーザー が詳細なトラブルシューティングを必要とする技術サポートを希望している。

  • インストラクション(インストラクション内):
    技術サポートを求められた場合、まず「デバイスを再起動しましたか?」と質問します。
    その後、「詳細なトラブルシューティングを専門スタッフと進めたいですか?」と確認します。
    ユーザー が同意した場合、「『専門スタッフによる詳細なトラブルシューティングを希望します』と入力してください」と案内します。

  • インストラクション(転送内):
    ユーザー が「専門スタッフによる詳細なトラブルシューティングを希望します」と答えたら、会話を同僚に転送してください。

  • トリガー:
    「専門スタッフによる詳細なトラブルシューティングを希望します」

例 2: 商品返品の依頼

シナリオ: ユーザー が商品を返品したく、返品ポリシーに関する情報を必要としている。

  • インストラクション(インストラクション内):
    商品の返品について質問された場合、返品ポリシーを簡潔に説明します。
    その後、「返品処理をカスタマーサービス担当に依頼しますか?」と確認します。
    ユーザー が希望した場合、「『返品サポートを希望します』と入力してください」と案内します。

  • インストラクション(転送内):
    ユーザー が「返品サポートを希望します」と答えたら、会話を同僚に転送してください。

  • トリガー:
    「返品サポートを希望します」

例 3: 予約の依頼

シナリオ: ユーザー が予約を希望しており、利用したいサービスや希望日程を確認する必要がある。

  • インストラクション(インストラクション内):
    予約希望があった場合、まずサービスの種類と希望日程を確認します。
    その後、「予約専門スタッフにおつなぎしますか?」と確認します。
    ユーザー が同意した場合、「『予約サポートを希望します』と入力してください」と案内します。

  • インストラクション(転送内):
    ユーザー が「予約サポートを希望します」と答えたら、会話を同僚に転送してください。

  • トリガー:
    「予約サポートを希望します」